検診結果と

2年検診の結果はクリアだった。

骨シンチ
レントゲン
マンモ
エコー
血液検査(含 腫瘍マーカ)

待っている間は緊張が続いていたけれど
それを聞いてほっとした。
また、一歩前に進める。

だからと言って、いきなり全てに意欲的な人間に変わるわけでもなく
ちょっとした春物を買って
嬉しい気分を家に持ち帰った。
艶のあるリボン生地や、春らしいコットンのレースが使われた
軽いトップス。

小さな光がたくさんあつまった
ビーズのアクセサリーも買った。

これを身につけて、またゆっくり、自分の人生を歩いて行こう。
そんな気持ちだった。

2年検診が大丈夫だったことをきっかけにして、
アルバイトを辞めることにした。

正社員であれば、そんなに簡単にいかなない。
もっともらしい理由や、次の勤務先なんかをきっちり決め込んでから
次に動くわけだけれど。

およそ一年くらい前からのアルバイト、
始めたころは、体力的にもまったく自信がなくて
務まらなければ辞めるしかないという考えで始めた。

ぺたんこの靴を履いて、
通勤して、
おそろしくゆっくりと、その分丁寧に働いて
自分の意見などを持つ余裕や意欲もなく
ランチだけはちょっと贅沢してリラックスして、
そして何とかふんわりと場になじんで
大人しく1日過ごして
また電車に乗ってアイポッドで音楽を聴きながら帰る。
それで精一杯だったけど、
夜、疲れて眠るときには幸せで心がぽっと温かく満たされた。

それから一年
最近はおこがましくも物足りないようなそんな気持ちになっていた。
正社員へのお誘いも、何度かいただいた。
この厳しい経済状況の中、本当にありがたいことだったけれど
だからこそ、ちゃんと仕切りなおして
新しいステップに踏み出した方がいいのかなあと考えるようになった。

以前に勤めていた会社から話があったことも
この間ブログに書いたけれど
その後も、何度か、別のプロジェクトが立ち上がる度に声をかけていただいた。
(もちろん、待遇は以前とは違うし、
顔見知りの中で働く安心感と共に、なんと言うか恥ずかしさのようなものと
背中合わせだという現実もある。)

本当に、自分は幸運だと思ったし、
忘れずにいてくれた元同僚や上司たちに感謝の気持ちもあったけれど
何も考えずに、用意された場所に流れてしまって本当に良いのかと迷い
どうしてもお誘いを受けられなかった。

今までの職歴を評価してもらったり、
職場でのがんばりを評価してもらったりしたことに対しては
本当に嬉しかった。
どんな形でも、何か認めてもらうというのは元気が出る。

それは確かだけれども、
治療を受けて、色々、色々考えることがあって
今の私の新しい価値観がある。
身軽な私だからこそ、新しい自分にあった生き方を
もうちょっと探してみてもいいんじゃないかという気持ちの方が強かった。

それが許されている環境があるのだから、今くらい、それに甘えて。
何というか、命が終わる時に、
「私、妥協しなかったな、面白かった。」
って言えるように、少し勇気を出そうと思ったのだ。そう。勇気。
私はとにかく慎重派だと友達に笑われて来たのだけど、
それは勇気がないということだと自分では分かっていた。
長い人生を生きるにはそういう慎重さも結構大事だと思っていたけれど
今となっては何が起こるかわからないし、突然その時が来るんだと、思っているから。

だから、先が決まっていなくても、アルバイト先を辞めるという
くだらないけれど
今までの私なら絶対にやらないことを、一度やってみることにした。
前の仕事から離れて、随分経っているので、全てがゼロになった気がしていたのだけど
再び声をかけてもらったことで、
ある一定のプロとして見てもらえる実績が、
私にはあるんだったのかなと見直すきっかけをもらえた。

ここから先は少し出来すぎているのだけれど
本当に辞めるということになったら
全然別の所から、仕事の声がかかったり
思いがけない新しい選択肢の情報を得て、考えるきっかけになったりして
この2、3日ばたばたと動き出して、
思わず目を閉じて「良かった」と息をついた。
必死になりすぎず、この新しい波に乗りたいと思う。
以前の価値観じゃなく、新しい価値観で生きていけるような何かを掴みたい。

同じ病気の方の生き方について
私が得る情報の限りなのだけれど
既にご家庭があったり、子育て真っ最中だったりと
ある程度決まった環境がある方が多く、
治療が追わればそこに戻って行くようなことが多い印象を受ける。
また、ある程度早期に仕事に戻る方は
やはり抗がん剤の治療が私より短期間で、薬剤もライトな方が
多い傾向があると感じた。気のせいかもしれないけど。

私はそのどちらでもないから
これから、ちゃんと作っていかなくちゃ。
ここで、ずっと社会に出ず、静かな生き方を選ぶ人も居るだろうと思う。
ただ私は、何かの形で仕事による充実感と、対価を得たい。
ちゃんと探そう。
用意された道じゃなく、自分で好きだと思う道をもうちょっと探してみよう。

まだ、あきらめない。
[PR]
# by reeelax | 2011-05-11 13:18 | 術後検査のこと | Comments(18)

術後2年検診

術後2年検診がやってきた。
ひとつの区切りと思って目指して来た場所。

メニューは
骨シンチ/マンモ/レントゲン/エコー/採血

骨シンチの検査を受ける場所は、大きく放射能の表示がついているドアを抜けた向こうだ。
一体何度、こういう検査を受けたことやらと思うと不思議な気持ちになった。

マンモは、前回術側には少し痛みがあったので
今回とても緊張していたが、
予想に反してそこまでの痛みはなく
スムーズに進んだ。

今回意外と苦戦したのは採血だった。
新しい看護師さんは血管を捜している内にギブアップ
ベテランの看護師さんも苦戦。
そのうち気分まで悪くなってきて、ベッドに横になりながら何度かトライしてもらった。
結局手の甲から採血をすることになったけれども
予定していた量の血が取れなかった。
採血やりなおしかとがっかりしていたところ
看護師さんが分析担当の方と確認を取りに行ってくれ、現状の量でOKとのことだった。

この2年間、自分に負担を与えないように
休むことと楽しいことをして過ごして来たと思う。
でも、自分ではコントロールできない病気だということは片時も忘れられずに過ごして来た。

これでよかったと思う。
明るい朝日が差し込んでいる病院、私はここの広いロビーが結構好みだ。
いつも光を感じさせてくれるから。
今まで、目の前だけを見て、感謝して
あまり遠くの未来にはあまり希望を持たないようにと
じいっと過ごして来た。
でも、手術からもうすぐ2年が経つ。
私にはとても長い時間が経ったように思えて
ちょっとぽかんとしたような気持ちだ。

ホットフラッシュ以外、私の体にはほとんど不調がない。
術側の不都合なく動くし、傷跡も薄い。
わきの下のリンパをとった傷は、しわと同化してしまった。
エコーをしてくれた女性の技師さんが、わきの下の傷に気付かず
「リンパは切除していないんですね」と言われた程だ。
私が訂正するとあわててカルテを見直すくらい。
放射線の後も残らず、以前の肌が戻っている。
手触りに多少の固さが残っているけどむくみも取れた。
新しい髪の毛も、風になびくほどになった。

心も、随分回復した。心が、二本足でちゃんと立てている気がする。



どんな結果が出るとしても、受け止められるようにと
自分の心をなだめながら過ごしている。
[PR]
# by reeelax | 2011-04-27 09:24 | 術後検査のこと | Comments(6)

対等であること

災害のことがあったり、大切な病友を送ることになったりして
ちょっと下向きになっていました。
たくさんの情報が溢れ、色々な考え方を見て
私はどんな言葉を発すればよいのか分からなくなっていました。


それでもそんな情報の濁流が落ち着いてなお
上澄みのように
私の考えがたどり着くのは生き方のことです。

人は、各自自分のストーリーしか生きられないということです。
同じだけの情報があって、基準が与えられたとしても、
情報の役割とはそこまでなんだと思います。

ひとりひとりが背負っている事情が違えば、選択肢は変わってくるし
誰もが自分のストーリーを全部公開する必要がないと考えていると思うので
何が一番幸せなのかというのは、結局当人しか判断ができないということです。
だから他人がその領域に近づく時には
対等な関係性を保って接していくことが大事なんだろうと私は考えています。
知識の量、情報の質、置かれている立場が異なったとしても
人と人のスタンスは、それぞれの命の重さにおいて、対等なんじゃないかと思います。


私は学生時代に尊厳死や生命倫理を扱ったゼミを取ったことがあり
未熟ながらも数年単位でそのことについて考える機会がありました。
また、父ががんで闘病をし、残念な治療結果の後亡くなるまでを見届ける機会があり
さらに自分が30代の前半で乳がんの治療をフルコースで受けるという体験をして、
防ぎようのない、時には選択の余地のない環境にありながらも
過ごし方を探る中で、生き方とは本当に人それぞれなのだと思いました。
お互いを思いやるのは大事だけれど
生き方の選択は、助け合って行う性質のものではないのではないかと
私は自分の経験を通して考えるようになりました。あくまで私の考えです。


ですから、他の多くの人と同じ行動をしていれば安心だという
「集団同調性バイアス」と呼ばれる心理状態に陥ることには
特に気をつけるようにしていたと思います。私は自分で生き方を決めて行きたかったからです。


話が支離滅裂になってしまいましたが、
何でこんなことを書いているかというと
災害の被害を受けている方々に対し
「善意」という言葉を振りかざしていれば、
何でもコントロールできると勘違いしている人の発言を
ネットで拾ってしまったりして、ああ、人の領域を侵害しているなあと残念に思ったからです。

被害を受けた方はとても困っているし疲れているし、大変な状態にあるけれども
同じ人間です。
だから、施しを行う側と受ける側みたいなそういうスタンスの取り方は間違いだと思う。

対等性を崩さない関係の築き方はとても大事なんだと思います。
私の自治体にも、被害に合われた地域から移って来た方々がいます。
家族を失くされたこと、持ち物を全てなくしたこと、土地さえ水の下にという
想像を絶する体験をされた方たち。
後悔がないわけがない。自分を責めていないわけがない。怒りがないわけない。
溢れてきそうな気持ちをじっとせき止めているので精一杯のはず。
それでも今日という日を過ごして行くしか選択肢がないのです。

そんな方たちに対して
同じ情報を届けるにしても、もっとやり方があるだろうに。
余裕のある側が、自分の感情をそのままぶつけてどうする。
自分のエゴを満たしているだけです。
そこからは何も生まれません。私ならもっと別のやり方を考えます。
相手のことを思うからこそ、そっと届くように気をつけます。

命の重さは対等だし、
自分の目の前にいる相手がどんなストーリーを背負っているのかなんて
実際は全てはわからないのです。結局。
だからこそ、精一杯対等に、思いやりを持って接したい。
そういう謙虚さをもって、人との関係を築いて行きたいと思ってます。

今私はそんなことを考えています。
[PR]
# by reeelax | 2011-04-17 21:31 | 日々のこと | Comments(4)

災害時のメンタルケア

【すべての方へ】災害時のメンタルケア(追記あり)
ブログ「水の反映」より
トラウマ療法であるソマティック・エクスペリエンス®(SE)の療法家(米国在住)から届いたサポートメールをSEプラクティショナーであり臨床心理士の藤原千枝子とSEトレーニーであり臨床心理士である牧野有可里氏がまとめたもの。


大切なあなたへ、大切なメッセージ【震災後の心理的被害を防ぐために】
NPOしごとのみらいのHP

***

私は、身内が軽度ながら被災したこともあり心配だったこと、
アルバイトも学校も休みになったので
PCやテレビから情報をめいっぱい取り込んでしまっていた。

ショッキングなマスメディアの報道と、ネットでリアルタイムでアクセスできる膨大な情報に
気づくと心が不安定になっていた。
脈拍が上がり、寝付けない。

ちょっと、落ちているかも。
何となく、危険を感じたので、我慢せずにワイパックスを服用し、
テレビを消した。

上記のリンクを見つけたので、落ち着いて読んでみた。

こんな時「自分ができないこと」を挙げて、ともすれば自分を責めたくなる。
募金ひとつにしたって、「仕事をしていればもっと多額の募金をできたのに」って。
でも
今、被災地でがんばっている方を心から応援しながら
自分の今日があることに「ありがとう」と思うことが大事
という記述を見て、
それは私がずっとやってきたことではないだろうか、とはっとした。

病気になったばかりのパニック状態の時、
PCの検索は、時間を決めてやっていた。特に夜は検索を止めて、ゆっくり好きなことをやっていた。
仕事も失って悲しかったけれど、
毎日朝がくることに心から感謝できるようになった。

そう。強くいなくてもいいから、弱音を吐いてもいいいから
毎日を淡々と受け止め、過ごすこと。
実はそれはとても難しいことなのは、経験上分かっている。
でも私は努力して、それができるようになってるはずでは。

節電のためにいつもより小さなボリュームで鳥の声などの環境音楽を流して
250円で黄色いライラックと、すみれ色の小さな花を何本かを買ってきて、いけた。

私は、体も心もまだ不安定。それを忘れちゃいけない。
だから私は私でここにいる。
良質の情報を選び取る能力を磨いて、
家族が安全でいられるようなことを教えてあげよう。

今回の復興には長い時間がかかるといわれている。
だから私にも何かできる時がかならず来るはず。
そのためには、その時まで淡々と立っていなくては。
[PR]
# by reeelax | 2011-03-16 17:38 | 覚えておきたいこと | Comments(6)

抗がん剤治療中の方に水が届きますように

この度の地震で被災された方に心からお見舞い申し上げます。
ご自宅で抗がん剤治療中の方、手術直後の方で避難をされた方、本当にお疲れ様でした。
とても怖かったのではないかと思います。
ご家族の安否や、寒さ厳しい不自由な環境で心も体も落ち着かないと思います。

少しでもたくさんお水が手に入り、
抗がん剤を体の外へ出せますように。

少しでも暖かい毛布が手に入り
悲しみをこらえて
体を横たえることができますように。

深呼吸をする、少しのエネルギーが生まれますように。

心からお祈りしています。

関東地方の私は揺れを経験しただけで済んだのですが
身内が避難所へ行くような状況になり
とても心配していました。
ですから当事者の方の心を思うと苦しくなります。

ネットなどで行きかう情報として
今できることは節電と募金ということでした。
本当に心が痛みます。
私は、たいした収入がない身ですが
yahooポイントや、楽天ポイントなどから寄付を始めました。
アルバイト代が入れば、
信頼できる団体に寄付をするつもりです。
今の自分にはできることが何もないような気持ちになりますが
そうではなく、何か自分にもできるはずと考えています。

病気が分かった時
治療に立ち向かおうと決めた強さが
少しでも残っていて
支えになってくれていますように。
[PR]
# by reeelax | 2011-03-16 16:22 | Comments(0)

34歳 シングル 始まりは乳がんstageⅢC。術前化学療法・部分切除・放射線治療・術後ハーセプチンまで終了。現在ホルモン療法中。自分の心と体を大事な友人のように扱いながら治療の日々を過ごしてきました。


by reeelax
プロフィールを見る
画像一覧