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食べて祈って恋をして

少し前になるけれど
「食べて、祈って、恋をして」という映画を見た。
もちろん、レディースデーで1000円の日に、
ネットでチケットを予約して、並ばずに・・・と、体にもお財布にもできるだけやさしく。

ジュリアロバーツが演じるアメリカ人の女性ライターが
イタリア、インド、バリへと旅する。
大きなスクリーンで、美しい映像に目を奪われた。
旅先というのは、普段と違う光を感じるもの。
こんな色の朝日は、毎日の生活では見ないなあ、とか
こんなにくっきりした木漏れ日が差し込んでくることはないよね、
などと思うそういう瞬間に、私はいつもと違う場所に来ているんだ・・・と思う。

この映画にもそんな瞬間がたくさんあって、とても楽しめた。
インドもバリも行ったことがないけれども、何だか既に一度出かけて来たような気分。

前から旅行が大好きなので
実際に赴いたことでしか体験できないことがあるのは分かっている。
それでも、今の時代
こんな素敵な映画が作られたり、
PCから色々なサイトに出かけたりすることができる。
普段の生活を守りながら、楽しいことのつまみ食いができる。

体力も、そしてお金も、以前のようには都合がつかない今だからこそ
そういうつまみ食いやバーチャルな体験を上手に楽しんで、
小さいながらもメリハリのある生き方をしたい。

以前は体力もあったし、若い自分は広い世界を知らないと思っていたから
何でも実際に体験してみることを優先させようとしてきた。
そうすることでしか、成長できないのではないか・・・という脅迫観念みたいなものがあったのかもしれない。

時を経て、病気も経験して、
体のスペックが少し変わって、そして、生き方に対する考え方もゆっくりと変わっている。
私が、少しずつ、適応しているんだ・・・と思おう。

以前だったら、あの映画を見た後は
「よし、バリに行かなければ」「長期の休みを取らなくては」「ヨガの体験コースに申し込まなくちゃ」
などと”to do リスト”が頭の中に広がっていたと思う。
そして「バリに行ったことのない自分」「1年間の休みなんかとても取れない自分」などと追い詰めたりして。
そんな自分が微笑ましくもあるけれど・・・

今の自分は
映画の余韻を反芻しながら過ごすことしばらく。
そしてテレビでバリの番組を録画して、本屋さんでガイドブックを立ち読みして、
自分でアロマオイルのマッサージをしてみる。
原作本を見つけたのをきっかけに、ネットでオーディオブックをさらに安い値段で見つけ
アイポッドで聞きながら、洗濯物を干す。
一番心地よいのが、こういう穏やかな時間の流れ。
そして時々は、小さな旅をして・・・

職場に行けば、いつの間にか他人と自分を比べたり
社会のつながりの中で劣等感を感じることもある。
ここが人生の大きなターニングポイントだとしたら、いまから巻き返せるのでは?自分には何ができる?
と焦って、頭がはちきれそうになることもある。

そんな自分もいるけれど、新しい体が一番心地よい暮らし方を大切にしたいと心から思う。
心もゆっくり変わって行っている。だから大丈夫。

「食べて祈って恋をして」
この映画、このタイミングで出会えてなんだかよかった。
by reeelax | 2010-11-15 09:37 | 日々のこと

34歳 シングル 始まりは乳がんstageⅢC。術前化学療法・部分切除・放射線治療・術後ハーセプチンまで終了。現在ホルモン療法中。自分の心と体を大事な友人のように扱いながら治療の日々を過ごしてきました。


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