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サバイバーに出会った 絵のレッスン

この間、絵のワークショップに行って来た。

2時間ほどで作品が完成するというので
私にもできるかな?と思い切って申し込んだ。

ひさしぶりに新しいものを吸収する気になれて、それも嬉しい。
仕事が忙しくて、定期的な習い事はできなかったけれど
単発ものの講演会とか、セミナーに行くのは好きだったから。



申し込みを後押ししてくれたのは、先生のプロフィール。
先生は、乳がんのサバイバーで
私と同じで術前化学療法を経験されていると知った。
ウイッグで帽子をかぶって行くことなども正直に伝えられたので
気が楽になる。

お会いしてみると、シングルだということも分かり
とても親近感が湧いた。
体の様子など、気にしてくれる。
病気になってから、サバイバーの方にお会いしたのは初めて。
自然体な感じで落ち着いていらっしゃる。



レッスン開始。
生き生きと指導をしてくれる先生。
この方は、ビジネスコーチングやメンタルトレーナーの資格もお持ちなので
独特の進め方。
上手い下手などが気にならないような手法というのがあるもので
指示に耳を傾けながら、作業を進める。

美しい色を使って、夢中になる。
その間は全てのことを忘れて、ただ静かに。
こんな感覚が大好き。



できた絵を基に短い間、セッションの時間もあった。

目を閉じて、先生のある問いかけに対する答えを思い浮かべる。
その答えは、今まで思ってもみなかったやり方で
自分の気持ちを客観視できるようになっている。

自分の持っている複雑な気持ちを、
とても簡単な言葉で知ることができた。
目を開けると、目の中には涙がいっぱいで
目の前で光がにじんで、視界が真っ白だった。
恥ずかしくて焦って、ハンカチを探すと、
周りの女性たちもみんな涙を流していた。

びっくりしたけど
それだけで、何だかとても安心した。

悲しくなって涙を流してもいいんだな、と
またひとつ納得した。
彼女たちが、同病の人かどうかは分からない。
でもみんな、心配事があって。



先生の姿といい、涙ぐむ女性達といい
ビジュアルインプットってなんと強いのか。
すとんと納得が降りてきた。



「悲しい時は我慢しないで泣いていいのよ」
たくさんのナースから、何度も言われた。
言われなくても、泣いていた。
けれど、最近、出た涙を止めるのが上手になってた気がする。
がんの専門病院なのに、病院で泣いてる人、あまり見ないから
自分だけがメソメソしている気になっていて。



でも、怖くなるときもあるし、
たくさんのことを、選ばなくちゃいけなくて、焦る。
全部、初めてのことだもの。

そのときは泣いていいんだね。
十分に泣こう。
かっこ悪くても。
だってそれなりに大変だもんね。
笑うのはその後で。

そしてその繰り返しで。



出来上がった私のつたない絵は
それでも黄色や白がいっぱいの明るい色に仕上がった。

小さな額に入れて
手術の時には持っていこう。



体力を心配して、
着いて来てくれた彼に絵を見せる。
自画自賛しながら。

ありがとう。
先生も素敵な人で、
とても楽しかったよ。


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心が癒される「お気に入りのひととき」
by reeelax | 2009-03-04 18:37 | 日々のこと

34歳 シングル 始まりは乳がんstageⅢC。術前化学療法・部分切除・放射線治療・術後ハーセプチンまで終了。現在ホルモン療法中。自分の心と体を大事な友人のように扱いながら治療の日々を過ごしてきました。


by reeelax