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30代でがんを経験された女優さん

30代の女優さんが、がんであることを告白し、支えてくれた方とご結婚されるというニュースを見た。
素直に、応援したいなあという感想を持った。



初発が2005年ということなので、公表されている年齢から逆算すると、30代になりたてのころ。

芸能界の方ではあるけれども、
病気が見つかった時の年齢だけでなく、
未婚で、
病気のことを誰にも言うつもりはなかった、という気持ちを知ったり、
抗がん剤を経験していることなど
共通している部分が多い。
彼女のブログを見ると、保険に入っていなかったので金銭的に不安を持ちながらの治療だったことと、
抗がん剤中に仕事をブッキングしてくれた番組への感謝などが綴られていた。
あまりドラマタイズしていない、飾らない文体で、気持ちを正直に表しているように思った。
金銭的に不安だったことなども、似ている。

こういう属性が揃うのって、がんの患者、とくに女性のがんでは結構少数派だから
患者会でも中々巡り会わない。だからちょっと震えるような気持ち。



ニュースを見て、おめでとうという気持ちと
もうひとつ思ったことがある。
うまくいえないのだけれど、言葉に置き換えてみると、やっぱり、となるのかもしれない。

自分がウイッグを経験していると、
どんなに素敵なウイッグをつけている人でも、何となくわかるようになってしまったのと似ている。

ドラマやワイドショーで見かける彼女が以前より少しふっくらして、
そしてエネルギーが少し足りない印象を持っていた。
芸能人の方と自分を重ねるのはおこがましいんだけれど
抗がん剤後の自分の状態に似ている気がして
もしかしたら何かの治療でお薬を飲んでいるのかな?と思っていた。
もともと華やかで明るいイメージの方だったからギャップが目立ってしまったのかもしれない。
TVの出演者はとにかくハイテンションだから、並んでいることでその違いが気になったのかもしれない。
自分ががんの治療を経験したから、かすかに感じ取れる小さな小さな変化。

見られる仕事というのは本当に特殊だと思う。
ご本人も言っていた。告白することで自分が楽になりたかったという内容のことを。
でもその告白を聞いて、私はとても心強く思った。
ここにも、こんなにもがんばっている同年代の人がいるのだと。
私が誰にも会いたくないと思っていた頃
毎日、人の前に出て、表現の仕事をしているのだと。
だから言ってくれてありがとうと思った。

病気になり、きっとたくさんのことを悩んで、悲しんで
手術を受けて、治療とは言え眉や睫も抜けて、きっと体もだるかったでしょうに、
みなの前で笑ってお芝居をして、
心の中はどんなにか大変だったろうと思う。
病院でも特別待遇はされたかもしれないけれども、
気軽に患者会に行くわけにもいかないだろうし。
どうやって心のバランスをとっていたのかなあ。
やっぱり芸能界で鍛えた方だから、精神力は人並みはずれているのだろうけれど・・・
でもその強さ、見習わないとね。

これからは彼女の姿を見る時
私も、私のやり方で人生を大事に過ごそうって思える気がする。


30代での病の経験が、色んなことを気づかせ
たくさんの感謝の気持ちを与えてくれた。
悲しいことばかりではないって、私は信じたいと思っている。
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by reeelax | 2010-11-18 15:13 | 病気のこと | Comments(2)

食べて祈って恋をして

少し前になるけれど
「食べて、祈って、恋をして」という映画を見た。
もちろん、レディースデーで1000円の日に、
ネットでチケットを予約して、並ばずに・・・と、体にもお財布にもできるだけやさしく。

ジュリアロバーツが演じるアメリカ人の女性ライターが
イタリア、インド、バリへと旅する。
大きなスクリーンで、美しい映像に目を奪われた。
旅先というのは、普段と違う光を感じるもの。
こんな色の朝日は、毎日の生活では見ないなあ、とか
こんなにくっきりした木漏れ日が差し込んでくることはないよね、
などと思うそういう瞬間に、私はいつもと違う場所に来ているんだ・・・と思う。

この映画にもそんな瞬間がたくさんあって、とても楽しめた。
インドもバリも行ったことがないけれども、何だか既に一度出かけて来たような気分。

前から旅行が大好きなので
実際に赴いたことでしか体験できないことがあるのは分かっている。
それでも、今の時代
こんな素敵な映画が作られたり、
PCから色々なサイトに出かけたりすることができる。
普段の生活を守りながら、楽しいことのつまみ食いができる。

体力も、そしてお金も、以前のようには都合がつかない今だからこそ
そういうつまみ食いやバーチャルな体験を上手に楽しんで、
小さいながらもメリハリのある生き方をしたい。

以前は体力もあったし、若い自分は広い世界を知らないと思っていたから
何でも実際に体験してみることを優先させようとしてきた。
そうすることでしか、成長できないのではないか・・・という脅迫観念みたいなものがあったのかもしれない。

時を経て、病気も経験して、
体のスペックが少し変わって、そして、生き方に対する考え方もゆっくりと変わっている。
私が、少しずつ、適応しているんだ・・・と思おう。

以前だったら、あの映画を見た後は
「よし、バリに行かなければ」「長期の休みを取らなくては」「ヨガの体験コースに申し込まなくちゃ」
などと”to do リスト”が頭の中に広がっていたと思う。
そして「バリに行ったことのない自分」「1年間の休みなんかとても取れない自分」などと追い詰めたりして。
そんな自分が微笑ましくもあるけれど・・・

今の自分は
映画の余韻を反芻しながら過ごすことしばらく。
そしてテレビでバリの番組を録画して、本屋さんでガイドブックを立ち読みして、
自分でアロマオイルのマッサージをしてみる。
原作本を見つけたのをきっかけに、ネットでオーディオブックをさらに安い値段で見つけ
アイポッドで聞きながら、洗濯物を干す。
一番心地よいのが、こういう穏やかな時間の流れ。
そして時々は、小さな旅をして・・・

職場に行けば、いつの間にか他人と自分を比べたり
社会のつながりの中で劣等感を感じることもある。
ここが人生の大きなターニングポイントだとしたら、いまから巻き返せるのでは?自分には何ができる?
と焦って、頭がはちきれそうになることもある。

そんな自分もいるけれど、新しい体が一番心地よい暮らし方を大切にしたいと心から思う。
心もゆっくり変わって行っている。だから大丈夫。

「食べて祈って恋をして」
この映画、このタイミングで出会えてなんだかよかった。
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by reeelax | 2010-11-15 09:37 | 日々のこと | Comments(2)

34歳 シングル 始まりは乳がんstageⅢC。術前化学療法・部分切除・放射線治療・術後ハーセプチンまで終了。現在ホルモン療法中。自分の心と体を大事な友人のように扱いながら治療の日々を過ごしてきました。


by reeelax
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